icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科29巻2号

1975年02月発行

文献概要

原著

尿中エストリオール簡易測定法の検討とその臨床応用

著者: 田川博之1 森淳躬1 小池敏明1 三浦清巒1

所属機関: 1長崎大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.149 - P.153

文献購入ページに移動
 妊婦尿中に大量のestrogenとくにestriolが排泄されることは衆知のことであるが,Bolté1),中山2)らにより,そのcstriol生成には胎児副腎,胎児肝および胎盤が関与していることが明らかにされた。以来,妊娠中に尿中estriolを測定することは,胎児胎盤機能をみる重要な指標になることがわかつた。しかしestriol測定法は煩雑であり,中山3),Brown4)らにより,その簡易化の工夫がなされはしたが,なお大学や大病院でも,とくに興味を持つている研究者以外には妊婦の尿中estriolをroutineに測定している所はないようである。
 1970年,神戸川5),鎌田6)らは合成吸着剤AmberliteXAD−2をポリ滴瓶に入れることでestriolの測定を簡易化した,いわゆるE3—Kitを考案し,estrogenの測定を研究室レベルから検査室レベルへ変えることに成功した。そこで私どもは,本キットを基礎的に検討し,臨床応用が可能であることがわかつたので,臨床データーを含めて報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?