icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科29巻4号

1975年04月発行

文献概要

年間テーマ--診断から治療へ 体温の異常

産後の発熱

著者: 椹木勇1 鈴木康雄1 木下道雄1

所属機関: 1関西医科大学産科婦人科学教室

ページ範囲:P.279 - P.287

文献購入ページに移動
 産褥における発熱といえばすぐに念頭にうかぶことは妊娠中毒症,出血とともに妊産婦の3大死亡原因のひとつである産褥熱であり,それに続く敗血症であつた。しかし,化学療法剤や抗生物質の出現はこの概念を全く変えてしまつて,現在では重篤な産褥感染症にはほとんど遭遇しなくなつている。このことは,妊産婦の死亡率の変遷をみても明らかであり,表1のごとく,その死亡率自体も著減しているが,その中でも感染症の占めている割合が表2のようにごくわずかとなつている。
 わが国において,その妊産婦死亡率は欧米の先進諸国に比して,なお著しく高率ではあるが,その問題はさておくとして,表3の示すように,昭和8年には感染死が7.1であつたものが,昭和15年には3.9となり,抗生物質が広く使用され始めた昭和25年にはさらに1.5と激減し,昭和47年にはわずかに0.2にすぎない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?