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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科29巻4号

1975年04月発行

トピックス

血清肝炎のsexual transmission

著者: 広井正彦1

所属機関: 1山形大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.309 - P.309

文献概要

 最近,職業病の一つとしての血清肝炎が注目されてきている。すなわち,医師・看護婦の他にも,臨床検査技師,血液透析をする人,血漿分析に従事する人びとに,血清肝炎が多く見出され,その対策に苦慮している1,2)
 この血清肝炎は血清中にAustralia抗原が見出されて以来,その因果関係が論ぜられてきたが,本症の感染には分娩時に母体より児へと感染するものの他に,汚染された血液の輸血や注射針による感染が従来より指摘されてきていた。これだけによると,直接または間接的に血液との接触をもたない人びとへの血清肝炎感染への説明が困難であつたが,糞便や尿中にもAustralia抗原の存在することが判明し,これらを通して経口感染の可能性が指摘され,広範囲の感染が考えられるようになつた。一方,血液の混入しない唾液中にもAustralia抗原が存在することから,oral-oral transmissionが,月経血・腟粘液中や精液中にも見出されたことより,性交による感染も推定されるようになつた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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