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雑誌目次

雑誌文献

臨床婦人科産科3巻1号

1949年01月発行

雑誌目次

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不妊手術に就て

著者: 長谷川敏雄

ページ範囲:P.1 - P.6

 最近優生保護法の公布に伴ひ,去る昭和16年以來施行されて來た國民優生法に依て甚しく制限されて居た所謂不妊手術の適應範圍,竝に施行手續上の繁が著しく緩和乃至徹廢された結果(即ち從來考慮されて居なかつた社會的適應が認められることゝなり,更に一定の適應下では本人竝に配偶者--其の不明な場合,又は意思表示不能の場合には本人の同意だけで足りる--の同意を得て任意に行うことが出來るようになつた),今後相當頻繁に行われることが豫想されるので,以下主として其の術式其他に就て概要を述べて見たいと思う.

機能性不整子宮出血に關する組織學的研究—第1報:余の所謂間質(形成)不全症に就いて

著者: 芳賀次郞

ページ範囲:P.6 - P.10

緒論
 所謂機能性不整出血または出血性メトロパチーの代表的な例としてSchroder(8)(9)の腺嚢胞性増殖症があるも,これに對し周期遺存症Persistent Phases of Cycle (Herreil(4))として取扱われつつある不整出血がある.後者は臨床的には月經に引續くかまたは一時停止後暫時にして再現するところの出血であつて,量及び持續日數は不定組織學的にも腺嚢胞性増殖に該當する所見を示さないと云われている.田村氏(10)は本症をその内膜組織像即ち月經時崩壊像・機能腺・無機能腺の有無及び多少により次の如く分類した.
 A)月經脱落遷延症,a)脱落遷延症,b)再   生遅延症. B)増殖晩期遺存症

子宮發育不全症に關する2・3の臨床的觀察

著者: 秦良麿 ,   本田耕作

ページ範囲:P.10 - P.13

 日常の臨床においてわれわれが子宮發育不全症としてとりあつかう患者はかなりの數に上り,婦人科疾患中重要なものの1つである.本症は通常成熟婦人において子宮の發育が未だ尚いわゆる胎兒子宮,小兒子宮あるいは處女子宮の状態に止まつている場合を臨床上總稱しており,同時にほとんど常に卵巣卵管の發育ないし機能不全を伴はない性器發育不全症,あるいは發育不全體質の部分的症候である場合が多く,また不妊症ないし不育症の原因としても重視さるべき疾患であり,且つしばしば種々の月經障害や帶下その他の自覺症状を訴えて,その治療に骨が折れることが少なくない.本症の治療には向性腺ホルモン及び卵巣ホルモンを主體とした治療が行わるべきは言をまたないが,その用量,方式等に關しては諸家の間に各種各樣の見解があり,また一方本症の成因に關しても諸種複雜な因子が關與するものと考えられるから治療もまた個人化さるべく,そこに本症治療の困難があるわけであり,適切な診斷のもとに系統的なしかも通常長期にわたる治療が要求されるものである.
 われわれは本症の實態を握把する一手段として先ず本癌の頻度その他以下のべる如き數項目について,昭和11年1月より同21年12月に至る滿11年間におけるわが教室外來患者を資料として觀察調査したので,その概要を報告してみたいとおもう(各項データの詳細なる表示は紙面の都合上省略した).

新子宮收縮劑セカラミンに就て—豫報

著者: 鈴村正勝

ページ範囲:P.14 - P.17

1.緒言
 現在使用されている子宮收縮劑には腦下垂體後葉ホルモン・キニーネ劑及麥角劑を主とし,加うるに合成劑としてグラビトール類,アミン類があり,卵胞ホルモン・インシュリン等にも同一作用があるが未だ實地應用の域には進んで居ない.孰れもその作用の相異により分娩各期及産褥に使い分けされている.
 麥角劑の有効成分としては現在麥角アルカロイドであると認められている.麥角アルカロイドとして純粹な製品が出來たのは1878年TanretがErgotininを發見したのが最初であるが,之には未だ子宮收縮作用が無かつた.

原發性卵巣絨毛上皮腫に就て—附統計的觀察

著者: 山田千里 ,   佐藤一男

ページ範囲:P.19 - P.24

緒言
 絨毛上皮腫は極めて稀に卵巣にも原發し,その最初の報告はKleinhans (1902)と言はれてゐる。之に妊娠生と畸形腫性とが區別せられ,先行妊娠と關聯のある眞性卵巣絨毛上皮腫にはKleinhans,Iwase (1908),Fairbairn (1900),A.Seitz (1915),Ries (1915),Sunde (1921),大城(1922),Dougal(1924),吉川—堀永(1937),齋藤—爲我井(1938)等の報告がある。之に對して妊娠と關係のない少女或は男性胚腺に認められるものは(Schlagenhaufer,Risel,Sternberg,Tackson,Schmorl,Fritz,Oberndorfer,Monod,Carnot,Döderlein等)畸形腫と見做され未分化幼蒼外胚葉がTrophobl—as ea樣發育をとげて絨毛上皮腫と同樣の腫瘍を形成するものであると考へられ,Klaften (1934)は前者をChorioepithelioma gestationi,後者をChorioepithelioma teratomatosum (Chorio—teratoblastoma ovarii)と稱へた。卵巣絨毛上皮腫が極めて稀なものであることはKlaftenがWien大學婦人科での惡性卵巣腫瘍183例中に僅か1例を見出したたこと,當教室では未經驗であること,本邦では僅かに7例(大城,槇−武田,村田,安住,岩下,吉川−堀永,齋藤−爲我井)のみで外國でも約30例にすぎないことから明らかである。

化骨不全症及び胎生性軟骨萎縮症

著者: 三谷茂 ,   大川公康

ページ範囲:P.25 - P.27

緒言
 化骨不全症Osteogenesis imperfecta・Oste—opsathyrosis congenita ・ Osteopsathyrosis foetalis・Osteogenesis imperfecta taarda・Osteogenesis idiopathica及び胎生性軟骨萎縮症Chondrodystrophia foetalis・Achondrop—lasie・Micromelia chondrohmalacicaは先天性體肢短肢症を以て來る先天性骨形域障碍にして1892年KaufmannはChondrodystrophia foe—talisとして又1845年VrolikはOsteogenesisとして獨立したる名稱を與えた.其の後多數の報告例ありてその原因は今尚不明なり.
 余等は日赤病院に於て經驗せし化骨不全症8例と胎生性軟骨萎縮症7例を臨床的に又剖檢的に檢し總合したる結果を報告する所なり.

月經の赤血球沈降反應に及ぼす影響に就て

著者: 坂口碩

ページ範囲:P.27 - P.32

緒言
 月經が赤血球沈降反應に影響を及ぼすか否かと云う問題に就ては,今日まで種々報告せられ論議せられては居るものの未だ決定的解釋は下されて居ない樣に思われる.抑も赤血球沈降反應は非特異性の生物學的反應であつて,或る一定の疾患に特異なる沈降反應と云うものはないのであるが各疾患が罹患個體に與える生理的状態の變化の種類,或ひは變化の程度によつて正常の赤沈反應に影響を與えるものである.即ち生體内に於ける炎症性entzundlich又は變質性degenerativの組織破壞が病的に亢進した場合,斯くの如き際に赤血球の沈降速度が増加するのである.吾々臨床醫家は日常疾病の診斷・疾患部の廣さ或は疾病の重篤さの判定疾患の豫後並に治療上の標準等を定めるに當り,赤血球沈降反應は極めて簡單ではあるが現在實際的にも將亦理論的にも大なる意義を有するものであつて1日も缺く事の出來ない補助診斷反應の一つである.而して吾々が婦人の赤沈反應を檢せんとする場合月經時・非月經時を區別しなければならない程果して月經が赤沈反應に影響を及ぼすものであろうか.私は昭和13年東京都立深川産院在任中より今日に至る間に於て,主として呼吸器結核症90例,婦人科的疾患12名及び健康婦入50例に就て此れが檢討を試みたので,茲に報告する次第である.

續發性卵巣癌主として所謂Krukenberg氏卵巣腫瘍並びにその實驗4例に就いて

著者: 加藤一男

ページ範囲:P.32 - P.40

緒論
 人體の卵巣は何故か惡性腫瘍特に癌腫に對して良好な培養地となり易いもので,轉移性の癌腫の好發部位の樣である.轉移せる癌は全卵巣癌の約20乃至30%に相當すると言われて居る.一般に原發竈としてあげられるものは胃癌及子宮體部癌で,尚他に乳房,大網膜,膽嚢,輸膽管,肝,氣管支等の癌腫から,二次的に卵巣癌が出來ることがある.續發性卵巣癌にして著明なものは,所謂Krukenberg氏卵巣腫瘍であらう.吾人もその4例を經驗したので,先進諸家の文献に徴して此處に報告したいと思う.

臨牀婦人科産科 第1卷・第2卷 索引

ページ範囲:P. - P.

第1卷索引
婦人科
月經周期に關する再檢討(1)(安藤) 1
産婦人科的觸診法の是正強化(安藤) 49

基本情報

臨床婦人科産科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1294

印刷版ISSN 0386-9865

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今月の臨床 産婦人科医必読─乳がん予防と検診Up to date

69巻5号(2015年5月発行)

今月の臨床 月経異常・不妊症の診断力を磨く

69巻4号(2015年4月発行)

増刊号 妊婦健診のすべて─週数別・大事なことを見逃さないためのチェックポイント

69巻3号(2015年4月発行)

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