文献詳細
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文献概要
緒論
卵巣類皮嚢胞は屡々遭遇する疾患であつて,全卵嚢腫瘍に對する本腫瘍の頻度は,歐洲約10%,本邦約20%となつてゐる.最近山田の報告によると30%を占めている.
然るに,この類皮嚢胞が化膿せる症例に就いては,嘗て嚢胞穿刺が頻繁に行はれた時代に於ては左程珍しいものではなかった.然し現今に於ては卵巣嚢胞穿刺が極めて例外的に施行せらるる關係上,此が化膿例は比較的稀有のものと考えられている.私は最近極めて複雜なる經過をとり,而も完全に治癒せしめるととの出來た興味ある類皮嚢胞化膿の1例に遭遇したのでここに報告する.
卵巣類皮嚢胞は屡々遭遇する疾患であつて,全卵嚢腫瘍に對する本腫瘍の頻度は,歐洲約10%,本邦約20%となつてゐる.最近山田の報告によると30%を占めている.
然るに,この類皮嚢胞が化膿せる症例に就いては,嘗て嚢胞穿刺が頻繁に行はれた時代に於ては左程珍しいものではなかった.然し現今に於ては卵巣嚢胞穿刺が極めて例外的に施行せらるる關係上,此が化膿例は比較的稀有のものと考えられている.私は最近極めて複雜なる經過をとり,而も完全に治癒せしめるととの出來た興味ある類皮嚢胞化膿の1例に遭遇したのでここに報告する.
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