文献詳細
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文献概要
緒言
ペニシリンの出現により淋疾の完治を期待した吾々臨床醫家にとつて,ペニシリンに依る婦人の淋疾治療成績はどんなであつたらうか.(以下ペニシリンをペ劑と略記する).
我々はペ劑移入初期に於ては幾多の芳しい淋疾治療成績の報告に接したものの,其の後醫家各自經驗例の増加に不拘,批判的報告に乏しく,僅かに最近1,2の婦人淋疾特に慢性淋疾に大量使用するも全治をみなかつたとの報告に接するのみである.我々は曩に戰後滿3ヵ年の婦人淋疾患者の動態と其の治療成績なる1文に述べた如き,ペ劑による芳しからざる治癒率を知るに及び,この治療成績を再檢討することの有意義なることを思い,確實なる檢査を實施し且つ遠隔成績を知り得た31例(昭和22〜23年)に就き調査し,將來の治療方針に對し2,3の示唆にとむ事項を發見せるを以て茲に報告する.
ペニシリンの出現により淋疾の完治を期待した吾々臨床醫家にとつて,ペニシリンに依る婦人の淋疾治療成績はどんなであつたらうか.(以下ペニシリンをペ劑と略記する).
我々はペ劑移入初期に於ては幾多の芳しい淋疾治療成績の報告に接したものの,其の後醫家各自經驗例の増加に不拘,批判的報告に乏しく,僅かに最近1,2の婦人淋疾特に慢性淋疾に大量使用するも全治をみなかつたとの報告に接するのみである.我々は曩に戰後滿3ヵ年の婦人淋疾患者の動態と其の治療成績なる1文に述べた如き,ペ劑による芳しからざる治癒率を知るに及び,この治療成績を再檢討することの有意義なることを思い,確實なる檢査を實施し且つ遠隔成績を知り得た31例(昭和22〜23年)に就き調査し,將來の治療方針に對し2,3の示唆にとむ事項を發見せるを以て茲に報告する.
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