臨床婦人科産科3巻5号

1949年05月発行

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サルファ劑に關する2・3の知見

著者： 赤須文男¹ 河原節¹

所属機関： ¹東邦醫科大學産婦人科教室

ページ範囲：P.168 - P.173

Ⅰ，サルファ劑の局所的應用
　サルファ劑が微生物に依つて惹起される各種の疾病に對して經口的に或いは注射に依つて卓効を示す事實は，必然的にサルファ劑を局所的に應用させた．我國でズルフォンアミド劑を使い始めた頃の我領域に於けるズ劑の局所應用の報告を述べると武永氏（昭12年）はルジール錠を腟内へ挿入し，炎症性疾患に對して著効があつたと報告し，岩垣氏はテラポール軟膏の局所的應用を推奨し，佐野氏（昭13年）もアクチゾールを局所へ撒布し著効を收め，橋本，林，井坂氏等（昭15年）はトリアノン，アヂプロン，ネオポレオン等をタンポンの先へ附けて腟内へ挿入したが豫期した効果が得られなかつたと報じ，内野氏（昭16年）は急性外陰潰瘍をサルファ劑の軟膏で治癒せしめたと云う．又，大森氏は腟部靡爛にレギオン末の有効であつたのを見た．又，Haberer,Jaschke　（1939年）等はプロントジールを次の如く局所に應用して著効を收めていると云う．