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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科3巻5号

1949年05月発行

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蛋白質とアミノ酸の生物學的並に臨床的意義

著者: 三林隆吉1

所属機関: 1京都大學醫學部産婦人科

ページ範囲:P.173 - P.179

文献概要

 蛋白質はあらゆる生活細胞の主成分であり,生命現象も要するにこの蛋白質を主體とする混合膠質内で行われるといつてよい.
 ビタミン,ホルモン,酵素,免疫體等が生命維持,健康保持上必要である事は言うまでもないが,然しこれ等の多くも蛋白質そのものであり,あるいはその變化物であることを知つて驚く人もあろう.多くのビタミンは體内で特殊な蛋白質と結合して初めてその特異作用を發揮するものであり,インシユリンのような作用物質も蛋白質にほかならないし,甲状腺ホルモンとして周知のチロキシン,ヨードチロジンも純然たるアミノ酸であり,アドレナリンもまたアミノ酸の變化物である.更にまた尿素の分解酵素であるウレアーゼも蛋白質であり純結晶として分離されている(Sumner,1926年).1930年にはNorthropがペプシンやトリプシンのような蛋白分解酵素をすらをも純蛋白結晶としてとり出している.免疫體の如きものもまた血漿蛋白質中のγグロブリンに外ならないことは既に知る人は知つているであろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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