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子宮癌手術の豫後と化學療法—Penicillinの使用と術後合併症について
著者: 秦良麿1 渡邊英一1
所属機関: 1九州大學醫學部産婦人科學教室
ページ範囲:P.225 - P.230
文献購入ページに移動子宮癌の手術後には血行虚脱,術後感染ことに汎發性腹膜炎及び子宮旁結合織炎,尿管瘻,膀胱麻痺による尿閉等不快な合併症の頻度が高い.もちろんこれらの多くは適宜の術前術後の處置,手術々式及び手技の改良向上等によつて豫防ないし輕減せしめうるとはいえ,今日なおすべてが解決されたわけではない.しかし最近における化學療法の進歩は術後感染の頻度を低下せしめ,術後の一次經過の改善に寄與するところがきわめて大きいことは諸家の報ずるところである.われわれは1946〜1948年の間にわが教室で行つた子宮頸癌手術例についてPenicillinの使用の有無と術後合併症との關係をしらべてみたのでその成績を報告する.なおPenicillinを用いなかつた時期にはすべてSulfa劑を用い,最近はPenieillinとSulfa劑を併用することが多く,その他の補助療法も時期により一定でないが,これらの各因子別に考察檢討することは容易でないから,この報告ではもつぱらPenicillin使用の有無という見地からだけ檢討することとした.
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