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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科3巻8号

1949年08月発行

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流早産に對するホルモン療法の一考案

著者: 赤須文男1

所属機関: 1東邦醫科大學

ページ範囲:P.295 - P.296

文献概要

 流産を豫防するために,或は切迫流産を治療するために,我々は梅毒,子宮後傾屈其他原因がはつきりしている場合はその原因を除去するわけであるが,原因のはつきりしていない場合に黄體ホルモンを使用する.兎に角,黄體ホルモン劑に依つて或程度の流産は避けることが出來,習慣流産,切迫流産の豫防治療に對しては黄體ホルモン劑が唯一,有効のものとされて來ている.事實,私もプロルトンのあつた頃は之を盛んに使用し,又,プレグネニノロン(Proluton C)のあつた頃は之を内服させ,昨今は高價であつても差支えのない患者に對してはオーホルミンルテウムの注射を行い,何れも相當の効果をあげて來た.
 黄體ホルモン劑が流産に對して有效であるのは,同ホルモンの生理的作用に徴して明かである.即ち黄體ホルモンは脱落膜の形成を促し,子宮筋のトーヌスを低下させ,その運動を抑制し,後葉ホルモンに對する子宮筋の感受性を低下させ,卵胞の發育並に排卵を制止するものである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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