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核黄疸(Kernikterus)について
著者: 林基之1
所属機関: 1東京大學醫學部産科婦人科學教室
ページ範囲:P.297 - P.298
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新生兒に生後凡そ1週間以内に生理的黄疸が發現する事は周知の事實であるが,其の原因に就ては今日なお未知の領域と言つてよい.最近,RH因子が發見され,重症黄疸が主として之に因るものと説明されるようになつて以來,其の臨床及び病理解剖所見に注意が拂われるようになり,其の結果,腦實質の核物質(腦核)にビリルビン沈着が證明きれた爲,重症黄疸を核黄疸(Kernikterus)とも呼ぶようになり,更に治癒例に見られる一過性のアテトーゼ乃至チツク樣運動・痙攣,其の他錐體外性痙攣を思わせる症状,未熟兒に見られる比較的強い黄疸及び腦症状等が孰れも該ビリルビン沈着に因るものではないかと考えられるようになつた.以下,核黄疸に就ての史的考察より,現今爲されつゝある臨床的,血清學的及び病理解剖學的研究に對する簡單な綜説を試みたいと思う.
新生兒に生後凡そ1週間以内に生理的黄疸が發現する事は周知の事實であるが,其の原因に就ては今日なお未知の領域と言つてよい.最近,RH因子が發見され,重症黄疸が主として之に因るものと説明されるようになつて以來,其の臨床及び病理解剖所見に注意が拂われるようになり,其の結果,腦實質の核物質(腦核)にビリルビン沈着が證明きれた爲,重症黄疸を核黄疸(Kernikterus)とも呼ぶようになり,更に治癒例に見られる一過性のアテトーゼ乃至チツク樣運動・痙攣,其の他錐體外性痙攣を思わせる症状,未熟兒に見られる比較的強い黄疸及び腦症状等が孰れも該ビリルビン沈着に因るものではないかと考えられるようになつた.以下,核黄疸に就ての史的考察より,現今爲されつゝある臨床的,血清學的及び病理解剖學的研究に對する簡單な綜説を試みたいと思う.
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