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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科3巻8号

1949年08月発行

文献概要

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前期破水の臨床的研究

著者: 加藤一男1

所属機関: 1東京大學醫學專門部産婦人科教室

ページ範囲:P.313 - P.316

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緒論
 前期破水は破水より胎兒娩出迄の所要時間を延長せしめ,從つて傳染の機會を多くし,若し胎位,胎勢の異常ある時は臍帯,上肢の脱垂を來す事があり,母體發熱,胎兒死亡が多くなると言われている.從つてこれに對する處置としては羊水の流出を防ぎ,傳染を警戒し,分娩所要時間の短縮を計る事が肝要である.
 羊水の流出を防ぎ陣痛を促進する法としてはメトロイリーゼ,コルポイリーゼがあり,陣痛促進法としてはブジー挿入法等の有効な方法があるが,併しこれ等は皆傳染の機會を増すものである.特にメトロイリーゼは却つてその處置により胎位,胎勢の異常を來す事があり,娩出に際し再び處置を要することがある.併し破水時既に胎位,胎勢の異常のあるときは便利なものである.即ち以上の處置は分娩所要時間の短縮により傳染の機會を少くすることには役立つても,それ自身が大きな傳染源たり得る.從つてその功罪は比較して見る必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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