文献詳細
臨床メモ
文献概要
産科異常のうちで,骨盤位はその頻度の高さからも,これに対処する考え方に今日でも多くの問題を提起し続けているものの一つといえよう。骨盤位を惹起する因子として古くから知られているものに,子宮奇形や胎盤位置異常のほか,双胎,未熟,低体重,羊水過多・過少などがあげられているが,そのうえに形態的,機能的に不利な胎児異常では頭位をとる能力が低下するために骨盤位が多くなるとの考え方があらわれてきた。
Brennerら(Am.J.Obst.& Gynec.118,700,1974)は1,016例の骨盤位と29,343例の頭位の分娩統計から,先天奇形の頻度が頭位分娩児に2.4%であつたのに対し,骨盤位分娩児では6.3%もあつたという。さらに先天奇形の発生部位別分析では,どの臓器奇形も骨盤位に多く観察され,とくに妊娠36週以降の出生児で,中枢神経系,呼吸器系,消化管系および多発性の奇形例で骨盤位が有意に高頻度であつたと報告している。
Brennerら(Am.J.Obst.& Gynec.118,700,1974)は1,016例の骨盤位と29,343例の頭位の分娩統計から,先天奇形の頻度が頭位分娩児に2.4%であつたのに対し,骨盤位分娩児では6.3%もあつたという。さらに先天奇形の発生部位別分析では,どの臓器奇形も骨盤位に多く観察され,とくに妊娠36週以降の出生児で,中枢神経系,呼吸器系,消化管系および多発性の奇形例で骨盤位が有意に高頻度であつたと報告している。
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