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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科30巻1号

1976年01月発行

臨床メモ

骨盤位と先天異常

著者: 竹内久彌1

所属機関: 1順天堂大学産婦人科

ページ範囲:P.36 - P.36

文献概要

 産科異常のうちで,骨盤位はその頻度の高さからも,これに対処する考え方に今日でも多くの問題を提起し続けているものの一つといえよう。骨盤位を惹起する因子として古くから知られているものに,子宮奇形や胎盤位置異常のほか,双胎,未熟,低体重,羊水過多・過少などがあげられているが,そのうえに形態的,機能的に不利な胎児異常では頭位をとる能力が低下するために骨盤位が多くなるとの考え方があらわれてきた。
 Brennerら(Am.J.Obst.& Gynec.118,700,1974)は1,016例の骨盤位と29,343例の頭位の分娩統計から,先天奇形の頻度が頭位分娩児に2.4%であつたのに対し,骨盤位分娩児では6.3%もあつたという。さらに先天奇形の発生部位別分析では,どの臓器奇形も骨盤位に多く観察され,とくに妊娠36週以降の出生児で,中枢神経系,呼吸器系,消化管系および多発性の奇形例で骨盤位が有意に高頻度であつたと報告している。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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