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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科30巻11号

1976年11月発行

特集 産婦人科内分泌異常症候群

Ⅱ.臓器別にみた症候群 B.視床下部下垂体性異常に関するもの

月経前緊張症候群

著者: 森一郎1

所属機関: 1鹿児島大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.895 - P.897

文献概要

定義
 月経前緊張症とはFrank (1931)1)によってはじめて用いられたpremenstrual tensionの訳語とされているが,彼は月経前の種々の障害のうちで,精神・神経症状を主徴とし,月経開始とともに症状が消散するものをとくにとりあげ,この範疇にいれている。ところが尾島2)は,Frankがあげているような精神・神経症状はもちろん,その他の月経前障害も,程度は異なるがほとんどが月経中やそのあとにも認められることがあるから,月経前・中の諸障害は,一連の,本態を等しくする異常で,月経前緊張症はそのうち精神・神経症状の著しい特殊な型とみなしたがよいとしている。
 一方五十嵐3)は,以上では,月経の発来に伴う性器に起因する障害も含まれるので,これを除く意味でか,月経前数日に出現し,月経終了後は消失する性器外の症候群で,精神緊張を主徴とする症候群と定義している。なおこのほか,症状の発現の時期について,月経前3日以上前から出現するとか,10〜14日頃からはじまるとか,かなり限定して考えているものもある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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