icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科30巻11号

1976年11月発行

特集 産婦人科内分泌異常症候群

Ⅳ.症候群鑑別診断法

性機能分化の異常を伴う症候群

著者: 水口弘司1

所属機関: 1東京大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.975 - P.981

文献概要

 性機能分化の異常を伴う症候群には多数の疾患があり,その臨床症状も多岐であるため,これらの疾患を系統的に分類することは難しい。細胞遺伝学,臨床内分泌学などの進歩によりこれら疾患の原因について多くの新知見が得られているが,同一の臨床症状が異なった原因からおこり,またその逆に,一つの原因から程度の異なる種々の性分化異常をおこすことなどで,さらに疾患の分類を複雑にしている。臨床的な便宜上,表1のごとく分類する。性腺分化の異常では多くの場合に染色体の異常を伴い,この中には卵巣,睾丸の両組織を共有する真性半陰陽(true hermaphrodite)も含まれる。一方,男性半陰陽(male pseudohe—rmaphrodite)では性腺は睾丸であるが,外性器または内性器に女性化が認められ,また女性半陰陽(female pseudohermaphrodite)では性腺は卵巣であるが,性器発育に男性化が認められ,多くは性染色体は正常であり,ホルモン作用の異常によるものが大部分である。性分化の異常を伴う症候群の主なものについてこの分類に従い,その臨床症状,診断について述べる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら