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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科30巻12号

1976年12月発行

症例

子宮内膜症における組織のホルモン感応性について—組織発生部位ならびに組織形態との関係

著者: 湯川澄江1 高田道夫1 古谷博1 桑原紀之2 福田芳郎2

所属機関: 1順天堂大学医学部産婦人科学教室 2順天堂大学医学部病理学教室

ページ範囲:P.1049 - P.1056

文献概要

 子宮内膜症においては,その主要病変の発生部位によって臨床病態が異なり,ことに妊孕能に及ぼす障害の程度に差異を生じることは明らかで,開腹時所見および病理学的追求とretrospectiveな臨床像との対比成績がそれを示している。したがって子宮内膜症を一つのカテゴリーに一括してとり扱うことには無理があり,強いていえば不合理性がある。高田らは,1960年以来の教室における臨床統計,治療成績などの追求にあたって,子宮内膜症をNovakの提唱したadenomyosisとpelvic endo—metriosisとに分類して検索し,その成績を報告してきた。
 子宮内膜症の症状は多彩であり,なかんずく不妊症と関係が密接であるので,しばしば妊孕能の回復を目的とした治療が要求される。そのために保存的手術あるいはホルモン療法が行なわれるが,その個別治療が劇的な効果をあげることもあれば,全く期待を裏切られる場合もある。高田らは,このような子宮内膜症の保存療法を続けてきて,対症療法としての効果は別として,本質的な効果は先に述べたadenomyosisとpelvic endometriosisとの差異にあるのではないかと感じてきた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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