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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科30巻2号

1976年02月発行

疾患の病態と治療 感染症--最近の動き

感染症の変遷と最近の動向

著者: 真下啓明1

所属機関: 1東京大学付属医科学研究所内科

ページ範囲:P.89 - P.91

文献概要

 感染症の内容が近年においても変貌しつつあることは充分認識されなければならない事実である。戦後sulfa剤,抗生物質といういわゆる化学療法の発達が感染症原因菌の様相の変化に大きく作用したことはよく知られているが感染症の変貌にはこのほかにも予防接種の効果,たとえばポリオ,日本脳炎など,あるいは生活環境の改善,GNP増大による国民栄養状態の向上などの因子が,大きく作用したことは否めない。化学療法の進歩は治療医学の進歩であり,予防接種,環境衛生,栄養問題の改善,向上は予防医学の進歩である。
 しかし,所詮宿主生体であるhostは病原ないし寄生微生物(parasite)とは無縁ではありえない。つまりhost-parasite relationshipから考えると人間生活が無菌動物として成立しない限り,一定のhomeostasisの維持が終局の目標とならざるを得ないと考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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