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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科30巻2号

1976年02月発行

疾患の病態と治療 感染症--最近の動き

性器ヘルペスウイルス感染症

著者: 川名尚1 川口武広1

所属機関: 1東京大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.107 - P.110

文献概要

 ヘルペスウイルス感染症は,Herpes SimplexVirus (HSV)によつて起きるのであるが,このウイルスは,ヒトにおいて種々の臓器に感染し,多種多様の病像を呈することは周知のことである。その中でも,口唇ヘルペスは最も日常的な疾患であり,診断も容易である。歴史的にもギリシャ時代からよく知られ,人類とは,大変縁の深いウイルスである。ところが性器にもHSVは感染するのであるが,この場合は必ずしも診断が容易ではないこともある。歴史的には,既に18世紀頃より記載があり,今世紀の最初にも,Lipschütz1)により,立派な研究業績があげられている。ところが,以来あまり注目するべき研究はなかつたが,1960年代後半に至り,再び,性器ヘルペス症についての研究が行なわれ始めた。ウイルス学の進歩に伴い,ウイルスの分離が容易となり,したがつて診断が容易になつたことで性器ヘルペス症の研究が盛んになつたのであろう。
 時を同じくしてウイルス学者の間から,大変興味ある報告がなされた。それはHSVには抗原的に異なる2つの型があり,これを1型と2型とすると,1型は非性器あるいは上半身のHSV感染と関連し,2型は性器の感染症と関連するというものであつた2)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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