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雑誌目次

雑誌文献

臨床婦人科産科30巻3号

1976年03月発行

雑誌目次

指標

婦人科悪性腫瘍における放射線治療の現況

著者: 山田拓郎 ,   笠松達弘

ページ範囲:P.173 - P.183

 日本産科婦人科学会子宮癌委員会によるわが国の子宮頸癌治療成績は,全治療率から国際的に第1位に評価されている。しかしその主因は第Ⅰ期,Ⅱ期における手術療法の好成績と大きな手術適応にあるといわれ,特に放射線療法への努力が焦眉の急と結論されている。
 今回,婦人科領域における放射線治療に関し,最近の動向を主として過去数年間の内外の文献を中心に紹介し,若干の説明をこれに加えた。近年,放射線治療の分野では各方面にわたり,多くの変革や発展がなされ,日進月歩の勢いであり,その全貌をここに記することは全く不可能に近い。したがつて子宮頸癌に関しては技術的方面の一端と新核種の紹介に止め,子宮体癌以下は実際の治療法とその成績につき記載した。なお,婦人科悪性腫瘍全般に関するものは,主として子宮頸癌の項に入れた。

疾患の病態と治療 妊婦管理

妊娠と心疾患・貧血

著者: 古谷博 ,   奥山輝明

ページ範囲:P.199 - P.201

Ⅰ.心疾患
 最近妊婦の心疾患に対する内科医,産科医の関心が高まつてきたが,それは心臓の生理病理についての知見が非常に多くなり,かつ一方では心臓外科の発達進歩により,心疾患をもつ妊産婦の管理,治療が従来より非常に進んで,かなりの症例でその効果をみるようになつてきたからである。したがつて心疾患のための人工妊娠中絶も次第に減少し,妊娠・分娩による母児の危険性も以前よりはるかに少なくなつてきた。
 妊娠・分娩は生理的現象であつて,血液の性状,心機能,呼吸機能などにかなりの順応性変化があるが,これは心疾患のある妊産婦にとつては,程度の差はあるが,血行力学的,呼吸機能的負担になるものであり,また心疾患の種類や重症度によつては,その予備能力の限界を確かめることが必要になつてくる。またある種の心疾患では,児にも同じような異常が発生する可能性もあるし,未熟児出生の率も多くなりうる。

糖尿病と妊娠

著者: 浜田宏 ,   豊田正治

ページ範囲:P.203 - P.206

 妊娠時の糖代謝はHCS,HGH,estrogen,progesterone,glucocorti—coid,thyroxineなどの内分泌環境の多彩な変動の下に,膵ラ氏島が肥大増殖してインスリンの分泌亢進がみられる一方,脂質,蛋白代謝の変調に伴うインスリン抵抗あるいは胎盤におけるインスリンの破壊,不活性化などによつて特異的な代謝相が形成されているものと考えられる。
 いわんや糖尿病妊婦または疑糖尿病妊婦においてはこれらの代謝変調がさらに複雑な修飾をうけるので,その病態生理についての解明はきわめて困難である。われわれも数年来この難解な命題について種々のアプローチを試みてきたが,本稿では糖負荷後の血中免疫インスリン反応(IRI—response)に関する若干の知見によつて病態生理の一端を紹介し,あわせて妊婦管理の要点について述べることとする。

妊娠中毒症

著者: 本多洋

ページ範囲:P.207 - P.210

 妊娠中毒症の原因は,現在なお未知のベールの彼方にかくれているといつてさしつかえない。その病因論について従来まで,いろいろの学説が提示され,あまりの多彩さに1966年にイギリスのJeffcoateが"Disease of Theories"と嘆じたほどである。したがつて概念的には「妊娠によつてのみ特異的におこる高血圧・タンパク尿・浮腫を主徴とする症候群」という程度の理解が現在の状態であるといえる。
 妊娠中毒症そのものは,妊婦管理の普及が奏功して,次第に重症のものは減少しつつあるが,未だに母体死亡原因のうちの大きな部分を占め,未熟児・低体重児・子宮内胎児死亡などの原因として,児に対する影響も重大なものがある。

妊婦梅毒

著者: 淵勲

ページ範囲:P.211 - P.213

 最近数年間,顕症梅毒は姿を消したかのようにいわれており,事実私もこの数年見かけることがきわめて少ない。ところが妊娠初期に梅毒のscreening testを行なうと,梅毒血清反応が陽性を示すいわゆる不識梅毒があとをたたない。私は過去の診療体験とその考察から,われわれのところで行なつている妊婦梅毒の検査手順と薬剤の投与方式を紹介し,諸家のご批判を仰ぐ次第である。

風疹・トキソプラスマ・Au抗原

著者: 武田佳彦 ,   中村淳一

ページ範囲:P.215 - P.218

 原虫疾患あるいはウイルス性疾患と妊娠との関連については,従来催奇性の問題については風疹流行の際に注目されていたにすぎなかつた。最近では垂直感染の影響が児の予後に関連し,また長期に及ぶことが明らかになるにつれて,疫学も含めて母子衛生の立場から重視され,また最近の諸機関からの報告でも従来考えられていたよりも高率の罹患が示されており,妊婦管理の実際でもこれら疾患群の診断と治療あるいは妊娠継続の可否などの問題に遭遇することも稀ではない。
 そこで本稿では疫学的観点からの考察を行ない 次に各疾患ごとの管理について解説を行なつてみた。

骨盤内腫瘍をもつ妊婦の取り扱い

著者: 杉山陽一

ページ範囲:P.219 - P.222

 妊娠に合併してみられる骨盤内腫瘍としては,卵巣腫瘍,子宮筋腫がその主なものであろう。比較的稀には子宮頸癌の合併もみられるが,これはやや特殊な症例に属すると思われるので,本稿においては日常臨床上最も頻繁にみられる卵巣腫瘍,特に嚢胞性腫瘍(卵巣嚢腫)と子宮筋腫の妊娠合併例について述べることとする。
 既に日常臨床上経験されるごとく,これらの腫瘍と妊娠との合併例の頻度はかなり高い。そしてそのような症例に対する対策ないしは治療法についても,その婦人の年齢,既往妊娠分娩歴あるいは発見時の妊娠週数,腫瘍の大きさ,数,位置,続発変性ないしは合併症の状況その他によつてかなり相異してくるものであり,それらについて以前より多くの報告がなされてきた。本稿ではこれらの合併症例の中で特に挙児希望の場合について,治療対策上近年とりあげられているいくつかの問題点を中心として述べてゆきたいと思う。

妊娠中の外科的疾患の処置

著者: 秋山洋

ページ範囲:P.223 - P.225

 産婦人科学と外科学においては,同じ腹部をとり扱う関係上,きわめて密接な関連性をもつて考えられなければならない領域である。とくに妊娠という条件下では,外科的疾患が発生したときはその病像は,かなり修飾されることは当然であり,その診断と治療面において注意を要することが多い。
 妊娠中に起こりうる外科的疾患として,その可能性としては多数の疾患が挙げられるが,ここでは,とくに普遍的なもののみをとりあげ,実際に則した2,3の注意事項を述べてみたいと思う。

妊娠中の口腔疾患の取り扱い

著者: 橋口精範

ページ範囲:P.227 - P.229

 妊娠中,歯肉に炎症がみられたり,う歯による痛みがあらわれたり,抜歯の必要な場合が起こつたりする。この場合,処置をうけてもよいだろうかということがしばしば問題となることがある。これは,処置をうけることによつて母体に影響はないだろうか,つまり流早産を起こさないだろうか,また処置によつて胎児に影響はないだろうか,つまり診断用のX線や投与された薬剤が胎児に影響を及ぼさないかということに他ならないものと思われる。
 これらのことからも,ここでは妊娠中の口腔疾患の取り扱いについて述べることにする。

妊娠が母体に及ぼす影響

心・肺

著者: 小川研一 ,   吉村正治

ページ範囲:P.185 - P.187

 妊産婦の心および肺における生理的変化についての知見はすでにほとんど確立されているといえる。呼吸機能に関しては本誌の講座欄でくわしく論じられているのでここでは簡単に触れることにして,特に心臓—脈管系への妊娠の影響に重点をおいて述べることとする。妊娠の進展に伴つて現れてくる心臓—脈管系の変化は,子宮内胎児の発育と物質代謝の進行に起因する。この原因の主なものは,増大する子宮による物理的影響,循環容量の増加,胎盤血行におけるfunctional arterio—venous shunt,ホルモンの影響などである。

血液

著者: 鈴木正彦 ,   阿部穣

ページ範囲:P.187 - P.189

 妊娠は母体を,物質代謝など全身的な面や子宮を中心とした臓器などの局所的な面で変化させる。そしてその多くの変化は,妊娠中の胎児の発育を有利にしたり,妊娠あるいは分娩時の母体にとり有利であるような合目的な変化である。血液の性状の変化は,その一現象であり,これは古くより妊婦貧血との関連で研究されてきた。そして,近年は分娩・産褥時に大出血を来たす凝固線溶系の異常などのアプローチの点からも検討されつつある。また妊娠時の血液性状を知ることは,貧血,炎症,出血傾向などの診断に必要であるばかりでなく,心疾患や妊婦貧血などの管理さらに免疫学的な観点からも重要である。

消化器

著者: 井上十四郎 ,   石原扶美武

ページ範囲:P.190 - P.192

 妊娠時には,妊娠初期の代表的な徴候である「つわり」をはじめとして種々の消化器症状が認められる。われわれ臨床医が特に注意しなくてはならないことは,その症状が妊娠自体に起因するものか,それとも消化器の器質的疾患に起因するものかということである。本稿では妊娠時の徴候としての消化器症状および妊娠と関係のある消化器疾患を中心として述べてみたい。

内分泌

著者: 青野敏博

ページ範囲:P.192 - P.195

 妊娠中には胎盤組織から大量のHCG,HPL(HCS),estrogen,progesteroneなどが分泌されるが,これらのホルモンは直接あるいは間接的に母体の内分泌機能に大きな影響を及ぼしている。これに対し母体は胎児の発育のためと自己のホルモン環境のホメオスターシスを保つために巧妙な内分泌学的な適応を行なつているので,その概略を記すことにする。

精神・心理

著者: 長田宏 ,   山本浩

ページ範囲:P.195 - P.197

 妊娠に際して現われる身体的症状に対する研究,検査,治療はきわめて複雑化し,多岐にわたり系統的に行なわれる。これを妊婦に対する外側からのアプローチとすれば,妊娠がどのように女性に心理的状態,反応を起こしているかを観察し,考察することは妊婦の内側に対するアプローチともいえよう。しかし妊娠というごく生理的な現象を妊婦自身がどう受けとめているかをあらためて考えてみると,一面不可解な,神秘的な事柄であることに気づく。妊婦は自分の精神的な体験をあまり話さないといわれるが,それは多くは無意識的なこととして本人は意識的には気づいていないことにも基因するのであろうか。子供殊に女児は幼いときから妊娠の幻想に満ちているともいわれるが,成人し実際に妊娠したいという欲望を抱くときも個々の女性によりさまざまな要素を内在していると考えられる。妊娠中にさまざまな感情の易変性,情動障害が起こりやすいのも妊婦の精神的経験のみならず,社会的,教育的,道徳的な人間社会の規約の中に起こる現象が妊娠であるからとも理解される。こうした妊婦の複雑な情緒,感情を理解するためには精神分析学的知見に教えられることが多い。そこで今回はこの知見をもとにして,精神力動的に妊婦の心理を考察してみたい。

皮膚

著者: 肥田野信 ,   荻原洋子

ページ範囲:P.197 - P.198

Ⅰ.色素沈着
 妊娠時には全身皮膚にも軽度の色素増強が認められるが,特定の部位に著明である。例えば乳暈,腋窩,新しい手術瘢痕で著しく,linea albaに着色してlinea nigraとなる。外陰部の着色も非常に強くなり,特に小陰唇の辺縁に著明で,腟前庭から会陰,肛門周囲に拡大する。
 雀卵斑や色素性母斑,黒子などの色調も増加し,新しい出現も見られる。肝斑は妊娠の70%に見られるいわば生理的現象である。その臨床像は非妊婦におけるものと同じく,眉毛の上,下限瞼,上口唇,頬などに対称性に生ずる淡褐〜褐色斑で,眼の周囲では眼の方に向かう側の境界に鮮明である。

臨床メモ

妊娠中の合併症管理の進歩

著者: 竹内久彌

ページ範囲:P.222 - P.222

 最近では,すでに何らかの疾患を有する婦人が強く挙児を希望するようになり,また,妊娠時の偶発合併症の管理の際にも可能な限り妊娠を継続するための努力が払われるようになつた。今回はこのような意味での症例報告を2編紹介する。
 最初の報告は,ロンドン病院のAckrillら(Brit.Med.J.2,172,1975)の扱つた腎透析中の婦人の妊娠,分娩成功例である。膀胱尿管逆流と細菌尿を併う両側腎の瘢痕化による腎不全と高血圧のため,この婦人には週3回の規則的腎透析が続けられていた。透析開始後20週目に妊娠16週であることが判明し,栄養を補償しながら血中尿素の上昇を防ぎつつ,血圧と電解質バランスのコントロールに努力が注がれた。透析を週5回に増し,随時透析や赤血球輸血を追加していたが,妊娠31週からは早産徴候が起こり,結局,自然陣痛の発来により1530gの男児を骨盤位で分娩した。分娩後の母体の回復は順調で,児はICUに収容して7週後には3700gの体重で退院している。腎透析中の妊娠分娩例はこれが最初のものではないが,このような妊娠を周産期まで維持し,母児の将来を保証できるようになつたことは有難いことである。

連載 リプロダクション講座・12

妊婦の呼吸機能

著者: 堀口貞夫

ページ範囲:P.231 - P.236

 妊娠中の基礎代謝率が亢進していることはよく知られた事実であり,5〜25%,平均15%の増加を示している。これとともにPBI,T4,TBG (thyroxine binding globulin)も妊娠中には増加している。しかしT3は低下しており,甲状腺ホルモンの蛋白との結合亢進はあるが,甲状腺機能の亢進があるのではないという1,2)
 すなわち妊娠中の基礎代謝率の亢進とそれに伴うO2消費の増加は,妊娠による胎児,胎盤,子宮,乳腺などの発達や,心筋・呼吸筋の運動量の増加によるものである(図1)4)

薬の臨床

腟トリコモナス症に対するTinidazole 1回投与法の検討

著者: 国井勝昭 ,   国井兵太郎 ,   斎藤忠明

ページ範囲:P.237 - P.240

 腟トリコモナス症の治療に関しては,従来のMetro—nidazole,また,最近開発されたTinidazoleにより,ほとんど100%に近い治療効果が得られている。しかし,この成績は,内服薬を7〜10日(配偶者にも同量)投与し,場合により,局所療法7〜14日の併用を行なつて(いわゆる3者併用療法)得られたものである。この上は,治療法がさらに簡素化されることが望ましいわけであるが,このたび,われわれは,Pfizer社よりTini—dazoleの提供を受け,本剤1回投与(内服)による効果を臨床的に検討したのでその成績を報告する。

産婦人科領域におけるAmikacinの基礎的臨床的検討

著者: 高瀬善次郎 ,   白藤博子 ,   内田昌宏

ページ範囲:P.241 - P.243

 新しいAminoglycoside系抗生物質であるAmikacin (BB-K 8)1,2)について,産婦人科領域に特有の基礎的研究,および臨床的検討を行ない,いささかの知見を得たので報告する。

銅附加IUD:Gravigardの臨床効果について(第3報)

著者: 我妻堯 ,   久保武士 ,   宇都宮睦房 ,   堀口貞夫 ,   三枝義人

ページ範囲:P.245 - P.250

 経口避妊薬(ピル)とともに,子宮内避妊器具(IUD)は,近代的な出生抑制の手段として現在広く用いられている。世界的には約1,500万人の婦人が現在使用中と推定され,米国だけでも1974年に300万人〜400万人の女性が装着しているといわれる。過去にIUDを使用した婦人まで含めれば,世界全体で恐らく数千万人に達するであろう。
 わが国においては従来,リング型のIUDが普及していたが,昭49年8月に,国産IUDの中で太田リングと優生リングの2種類が厚生省より製造・販売を許可されて以来,各種IUDの臨床研究が活発に行なわれるようになつた。IUDは,避妊効果と自然脱出率,出血・疼痛などの副作用による除去率と,器具そのものの形態,材質,強度,内膜に接するIUDの表面積などが複雑に関係し,現在までに数10種類におよぶものが製造使用されているが,未だ理想的なものは考案されていない。しかしながら,1968年にZipperら1)が,各種金属の子宮内避妊作用を検討し,銅・亜鉛が強い着床阻止作用を有することを発見して以来,従来のポリエチレン・ポリプロピレン製の不活性IUDに対し,金属や薬剤を附加した活性IUD (Bioactive IUD)が注目されるようになつた。

新しい子宮内避妊器具Uterine Progesterone System (UPS)の臨床効果について

著者: 橋口精範 ,   鈴木秋悦 ,   石浜淳美 ,   我妻堯 ,   宇都宮睦房 ,   水野正彦 ,   久保武士 ,   内田智 ,   藤井仁 ,   堀口貞夫 ,   広井正彦 ,   布川修

ページ範囲:P.251 - P.257

 子宮内避妊器具(IUD)は,経口避妊薬(pill)とともに,近代的な受胎調節の手段として,世界的に広く用いられている。その避妊効果は経口避妊薬に劣るが,避妊作用の標的臓器(target organ)が子宮とくにその内膜に限局しているために,全身臓器や代謝などに対して影響が認められないという利点を有する。
 正常子宮腔の大きさには多少の個人差はあるとしても,その形態はほぼ一定しており,その内腔に装着し得る避妊器具の形態の多様性にも,おのずから限度があると考えられる。しかしながら現在までに,考案,製作,臨床使用されたIUDは,世界全体で数10種類に及ぶといわれる。

トピックス

更年期以後のestrogen投与と子宮内膜癌の発生

著者: 広井正彦

ページ範囲:P.240 - P.240

 最近,子宮内膜癌が増加してきているといわれている。その原因の一つに,近年,更年期障害や老化防止に結合型estrogenが広く用いられてきており,それとの関連性も検討されてきている。
 Smithら1)は1960〜1972年の間に48歳以上で子宮内膜掻把または子宮摘出を行なつて,子宮内膜の腺癌と診断された317例の患者について,これと同数の他の悪性腫瘍,すなわち子宮頸癌206例,卵巣癌88例,外陰癌23例を対照として比較検討したが,子宮内膜癌患者では以前にestrogen治療をうけたことのある者152例に比して,対照はわずか54例と,estrogen治療をうけた者には子宮内膜癌発生の危険率はうけない者に比して4.5倍も高いと報告している。また,これらの患者のうち,肥満度,高血圧,糖尿病,出産回数,診断時の年齢,診断した年などの因子で比較すると,肥満婦人や高血圧の婦人には,estrogenを投与しても子宮内膜癌を起こす危険は少いとしている。特に肥満婦人に少い理由として,投与されたestrogenが脂肪組織に蓄積され血中では稀釈されて作用するためかとも考えられる。

基本情報

臨床婦人科産科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1294

印刷版ISSN 0386-9865

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71巻4号(2017年4月発行)

増刊号 産婦人科画像診断トレーニング─この所見をどう読むか?

71巻3号(2017年4月発行)

今月の臨床 婦人科がん低侵襲治療の現状と展望〈特別付録web動画〉

71巻2号(2017年3月発行)

今月の臨床 産科麻酔パーフェクトガイド

71巻1号(2017年1月発行)

合併増大号 今月の臨床 性ステロイドホルモン研究の最前線と臨床応用

69巻12号(2015年12月発行)

今月の臨床 婦人科がん診療を支えるトータルマネジメント─各領域のエキスパートに聞く

69巻11号(2015年11月発行)

今月の臨床 婦人科腹腔鏡手術の進歩と“落とし穴”

69巻10号(2015年10月発行)

今月の臨床 婦人科疾患の妊娠・産褥期マネジメント

69巻9号(2015年9月発行)

今月の臨床 がん妊孕性温存治療の適応と注意点─腫瘍学と生殖医学の接点

69巻8号(2015年8月発行)

今月の臨床 体外受精治療の行方─問題点と将来展望

69巻7号(2015年7月発行)

今月の臨床 専攻医必読─基礎から学ぶ周産期超音波診断のポイント

69巻6号(2015年6月発行)

今月の臨床 産婦人科医必読─乳がん予防と検診Up to date

69巻5号(2015年5月発行)

今月の臨床 月経異常・不妊症の診断力を磨く

69巻4号(2015年4月発行)

増刊号 妊婦健診のすべて─週数別・大事なことを見逃さないためのチェックポイント

69巻3号(2015年4月発行)

今月の臨床 早産の予知・予防の新たな展開

69巻2号(2015年3月発行)

今月の臨床 総合診療における産婦人科医の役割─あらゆるライフステージにある女性へのヘルスケア

69巻1号(2015年1月発行)

今月の臨床 ゲノム時代の婦人科がん診療を展望する─がんの個性に応じたpersonalizationへの道

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