文献詳細
薬の臨床
銅附加IUD:Gravigardの臨床効果について(第3報)
著者: 我妻堯1 久保武士1 宇都宮睦房1 堀口貞夫2 三枝義人2
所属機関: 1東京大学医学部産科婦人科学教室 2東京都立築地産院産婦人科
ページ範囲:P.245 - P.250
文献概要
わが国においては従来,リング型のIUDが普及していたが,昭49年8月に,国産IUDの中で太田リングと優生リングの2種類が厚生省より製造・販売を許可されて以来,各種IUDの臨床研究が活発に行なわれるようになつた。IUDは,避妊効果と自然脱出率,出血・疼痛などの副作用による除去率と,器具そのものの形態,材質,強度,内膜に接するIUDの表面積などが複雑に関係し,現在までに数10種類におよぶものが製造使用されているが,未だ理想的なものは考案されていない。しかしながら,1968年にZipperら1)が,各種金属の子宮内避妊作用を検討し,銅・亜鉛が強い着床阻止作用を有することを発見して以来,従来のポリエチレン・ポリプロピレン製の不活性IUDに対し,金属や薬剤を附加した活性IUD (Bioactive IUD)が注目されるようになつた。
掲載誌情報