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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科30巻4号

1976年04月発行

疾患の病態と治療 産婦人科疾患の免疫学的アプローチ

流産と免疫

著者: 八神喜昭1

所属機関: 1名古屋市立大学医学部産婦人科学教室

ページ範囲:P.295 - P.298

文献概要

 妊娠の成立および維持を免疫学的見地よりみた場合,それに関与すると考えられる免疫機構の破綻は,妊娠維持の中絶をも意味するとも考えられるわけであり,この見地より,流産現象をとらえることもあながち不可能なことではないように思われる。
 しかしながら父親由来の抗原性をもつ胎児およびその付属物が母親にとつてnot selfなものであるとしたならばなぜに免疫的拒絶を受けないで発育していくのか,という問題に対しても未だ明確な答は得られておらず,胎児の抗原性の問題,hostとしての母体の免疫機構の特殊性の問題などについて,多くのアプローチが続けられている現況であり,流産現象を免疫学的にのみ明確に説明し得ることは困難である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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