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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科30巻4号

1976年04月発行

トピックス

経口投与可能なLH-RH類似物質の出現

著者: 広井正彦1

所属機関: 1山形大学産科婦人科

ページ範囲:P.298 - P.298

文献概要

 産婦人科領域においてなじみの深い排卵や月経周期などの性機能を調節する因子として,古くより間脳視床下部が注目されてきた。すでに種種の実験や臨床的観察より,視床下部よりある種の化学物質が下垂体門脈をへて下垂体前葉に作用し,ここよりgonadotropinの分泌を調節していることが明らかにされてきている。したがつて1960年代には多くの研究者がこの物質の同定に研究を進めてきたが,1971年Schallyグループら1,2)によりブタの視床下部50万個より約1mgの物質を抽出し,ついにこのものの構造決定と合成に成功した。近年,わが国でも斉藤3)らをはじめとして多くの機関で検討され,学門的興味ばかりでなく,診断や治療にも重要な役割を果たしてきている。
 しかし,従来用いられてきたこの合成LH-RH (luteinizing hormone—releasing hormone)は静脈内投与か皮下または筋肉内投与が主で,経口的に投与するにはラットの実験のごとく大量投与しなければならない欠点がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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