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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科30巻6号

1976年06月発行

文献概要

疾患の病態と治療 卵巣とその周辺疾患・Ⅱ

卵巣腫瘍の早期診断の進歩—細胞診

著者: 野田起一郎1 福田真樹1 手島研作1

所属機関: 1近畿大学医学部産婦人科教室

ページ範囲:P.453 - P.457

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 卵巣悪性腫瘍(以下卵巣癌と略)は婦人科悪性腫瘍中最も予後の悪い疾患の一つである。
 欧米諸国(白人)では卵巣癌の訂正死亡率(人口10万対)は5.5〜11.0を示し,全子宮癌のそれの8.0〜21.0に近い数値を示す国が多い。なかでも北欧(SWEDEN,NORWAY)では卵巣癌の死亡率の方が子宮癌のそれよりもむしろ高い。幸いなことに本邦では子宮癌8.4に対し,卵巣癌は1.8と約1/5に過ぎない(昭和47年厚生省統計)。しかし,この両者の訂正死亡率の年次推移をみると,子宮癌の死亡率は昭和22年からの25年間に1/2以下に低下したのに対し,卵巣癌はこの間に3倍の高率となつている。子宮癌の死亡率のこのような着実な低下傾向は他の諸臓器癌に例を見ない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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