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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科30巻9号

1976年09月発行

文献概要

トピックス

骨盤位に際しての頸部過度伸展と対策

著者: 広井正彦1

所属機関: 1山形大学産科婦人科学

ページ範囲:P.697 - P.697

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 近年,産科診療においても抗生物質や麻酔法,手術法の進歩により容易に帝王切開などの方法が用いられるために,妊娠の経過での骨盤位の対策,分娩時での児頭の状況や進行過程など従来より軽視されて来ている傾向は残念なことである。しかし,最近では出産する児の数も少なく,従ってその児をどうしても健康で生むために,もし失敗すると医療事故としてとりあつかわれるケースも出てきているために,産科にてあつかわれる症例は1例1例慎重になされなければならないようになってきた。
 とくに,分娩時にレントゲン写真や超音波断層写真をとってみると,頭頸部の伸展した反屈位(hyperex—tension of the fetal head)に気づくことがある。これが頭位であるときは顔面位となり,骨盤位のときは「星をみつめるような(Stargazing)」な位置となり,横位の時には「(空を)飛んでいるような(flying)」の位置となる。このうち顔面位は約500例の分娩中1例ぐらいの割合でみられるが,横位,骨盤位の場合のhy—perextensionは頻度が少なく正確に何例の割合でみられるか判明しにくい。従って従来の産科学の教科書には反屈位の際の,経腟分娩での母児ともに与える障害について詳細に記載されている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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