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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科30巻9号

1976年09月発行

文献概要

疾患の病態と治療 母体環境と胎児・新生児

母体のトキソプラスマと胎児・新生児

著者: 大内広子1 野上敬子1 松峯壽美1

所属機関: 1東京女子医科大学産科婦人科学教室

ページ範囲:P.703 - P.706

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 トキソプラスマ(以下Tpと略す)は,人畜共通の寄生虫で,古くから二つの発育型,すなわち栄養型とシスト型が知られていたが,近年Hutchi—sonなどの研究によってTpの最終宿主が猫とわかり,猫の糞から排泄される成熟オーシストからの感染による場合が主であることがわかった。
 妊娠時にTp症の合併をみるときには流早産,死産,また先天性異常児の出生をみることがあるので産科領域において深い関心をもたれている。妊婦がTp症を併発すると,時に胎内感染がおこり,Tpは胎児の中枢神経系,細網内皮系細胞に親和性をもち,脳水腫,網脈絡膜炎,運動障害,その他の奇形の発生がおこることがある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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