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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科30巻9号

1976年09月発行

疾患の病態と治療 母体環境からみた胎児・新生児の異常

母体の慢性高血圧性疾患と胎児・新生児

著者: 一条元彦1 今泉英明1

所属機関: 1東北大学医学部産婦人科学教室

ページ範囲:P.709 - P.712

文献概要

Ⅰ.妊娠高血圧
 妊婦が高血圧を示す場合の大部分は妊娠中毒症によると見なされている。しかし高血圧を症候の一つとする他疾患との鑑別が容易でないために,漫然と妊娠中毒症の扱いがされる事例も決して少なくない。Organisation Gestosis1〜3)は妊婦に浮腫(E)—蛋白(P)—高血圧(H)などのいずれかまたはすべてを伴う状態を総称して,EPH-gestosisというが,この際,EPHの成因が妊娠中毒症由来であろうとなかろうと,その区別を問うていない。ただしEPH-gestosisのpathogenetic classificationの中にはsuperimposed gestosis,transient (essential)gestosis,unclassified diseaseのごとく,本邦の純粋型妊娠中毒症,混合型妊娠中毒症に類する分類が見出される。EPH-gestosisはEPHの原因いかんを問わずこれらが妊娠に合併する場合の総称的用語であるから,「妊娠中毒症の同義語」と解するのは誤りである。
 一般に妊娠に高血圧が伴う事例は,①妊娠中毒症,②妊娠+非妊娠中毒症性高血圧,③前二者の合併(①+②),の三つが考えられるがこの鑑別は決して容易でない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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