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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科31巻1号

1977年01月発行

トピックス

妊娠中の性交と早産

著者: 広井正彦1

所属機関: 1山形大学産科婦人科学

ページ範囲:P.59 - P.59

文献概要

 Javert1)はその著書である「自然および習慣性流産」の中に,習慣性流産の治療には性的の禁欲が重要であるとのべている。事実Mastersら2)によれば性交により子宮の収縮が促がされることが判明している。このことについてGoodlinら3)は1971年に妊娠32週以後のorgasmの頻度をみると満期産よりも早産例に有意に高いことより,母体のorgasmが早産の原因であるとのべている。さらに彼ら4)は1972年に分娩6日前の満期の妊娠で内部のモニターを用いてorgasm中の子宮収縮と胎児心音の減少との関連性を検討し,妊娠満期でのorgasm中の記録によると陣痛の開始と胎児環境の変化がみられることを強調している。その他にもprostaglandinが子宮収縮に関与することが判明しているが,精液中にはprostaglandinが含有しているために,この射精された精液が子宮収縮をうながし,早産を起こす可能性も考えられる。
 そこでWagnerら5)は,娠娠37週以前で児の体重2,500g以下の出産をしたものを早産として(この間に出生した260例のうち19例の早産例があったが),この全例にSeattleの産婦人科医74名と男子医学生3名による問診を行なった。なお,対照例として19例の早産例にマッチした年齢,妊娠歴,人種などの満期産と比較した。対照群の方が早産群や全妊娠群に比して各妊娠期間中での性交回数は多い。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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