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卵巣癌による死亡率は,最近増加傾向にあり,婦人科悪性腫瘍の中で,最も早期診断の困難な疾患である。その5年生存率は約30%と,ここ1/4世紀,改善が見られていない1,2)。この低率の生存率の原因は診断が下された時,すでに60〜70%の患者は進行期の卵巣癌であるためである3〜7)。従って早期診断の確率されることが,早急の問題であることはいうまでもない。これまで早期診断のための種々の努力がなされてきたが,当教室においても従来より癌の酵素学的研究をLDH,HK,G6—PDH,Aldolaseなどで行なってきたが,今回はヒト卵巣腫瘍の酵素偏倚とその診断への応用について,内外の文献を参考にしながら当教室における研究成績も合わせて報告する。
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