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研究へのいざない・7
器官培養法—とくにRoseの還流式培養装置を中心に
著者: 五十嵐彰1
所属機関: 1東北大学医学部産婦人科学教室
ページ範囲:P.891 - P.895
文献購入ページに移動 人体に限らず,およそ有機体organism,すなわち生物をその研究対象とする人々にとって,研究対象としている器官,組織,細胞を複雑な生体の中から取出して,それをガラス器の中でin vivoにおけると同様の機能を営ませながら,直視下で,その形態や機能の研究をしてみたいという考えは,必ず生じてくる希望であったと思われる。
第二次大戦後における細胞培養法の登場により,生物研究者ははじめて,細胞・組織・器官という一連の生物の各構成単位をそれぞれ研究対象としてin vitroで行なう研究方法,すなわち体外培養法を持ったのであるが,細胞培養法の登場があまりにも華々しく,かつ細胞培養法を駆使した多くのすぐれた研究業績が相次いだため,器官(ここでは,ある器官の機能単位を含む組織もまた器官と同じものとして論ずることとする)培養法はともすれば影の薄い,古臭い実験法と見なされがちであった。事実,器官培養法は細胞培養法に比して,実験上種々の厳しい制約があり,培養期間の上からも,また直視下における細胞レベルでの観察法の面からも満足すべきものではなかった。
第二次大戦後における細胞培養法の登場により,生物研究者ははじめて,細胞・組織・器官という一連の生物の各構成単位をそれぞれ研究対象としてin vitroで行なう研究方法,すなわち体外培養法を持ったのであるが,細胞培養法の登場があまりにも華々しく,かつ細胞培養法を駆使した多くのすぐれた研究業績が相次いだため,器官(ここでは,ある器官の機能単位を含む組織もまた器官と同じものとして論ずることとする)培養法はともすれば影の薄い,古臭い実験法と見なされがちであった。事実,器官培養法は細胞培養法に比して,実験上種々の厳しい制約があり,培養期間の上からも,また直視下における細胞レベルでの観察法の面からも満足すべきものではなかった。
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