文献詳細
原著
文献概要
血液に粘性のあることは,古くから知られていたが,その実体は,近年,血液レオロジー(Hemorheology)の既念(レオロジー:『物質の変形と流動に関する科学』1,2))の発達とともに,ようやく明らかにされてきつつある。血液レオロジーに関する研究は,18世紀なかばのBoerhaaveや,19世紀のPoiseuilleにはじまり,近年になり,測定器具の発達とともに,新知見がみいだされ,臨床的に応用されてきつつある。著者は,血液の生理,生化学的性状については,ほぼ明らかにされている,産科領域の血液の物理的性状を,この,血液レオロジーの観点から,再検討してみようとするものである。
掲載誌情報