icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科31巻11号

1977年11月発行

特集 妊娠時の生理--その適応と異常

Ⅲ.適応異常とその周辺疾患

妊娠性疱疹

著者: 嶋多門1

所属機関: 1弘前大学医学部部皮膚科学教室

ページ範囲:P.1053 - P.1056

文献概要

Ⅰ.概念
 主として妊娠の後半期,全身の皮膚に小水疱,水疱,小丘疹および紅斑が集簇性に出没し,不規則な再発をくりかえす疾患である。かなり激しい掻痒があるが,全身症状は比較的軽微である。生命ならびに分娩に対する予後は良好であるが,胎児異常を起こす頻度がやや高く,胎児死亡率は20〜30%である。比較的まれな疾患であり,10,000〜50,000回の妊娠に1回の割合といわれる(von H.Flegel)。しかし,アメリカ学派の成書では,3,000〜5,000回に1回ぐらいの割合とされていて,必ずしもまれとはいえない。
 本症は,1811年Bunelがはじめて報告し,1872年Miltonにより妊娠性疱疹Herpes gestationisと名づけられた。本態,病因ともに不明である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら