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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科31巻12号

1977年12月発行

疾患の病態と治療 ハイリスクベビー

新生児頭蓋内出血

著者: 久保武士1

所属機関: 1筑波大学臨床医学系産婦人科

ページ範囲:P.1109 - P.1111

文献概要

 Prod'houによれば,ハイリスクベビーは,以下の条件に適う児以外の全ての新生児である。その条件とは,妊娠適齢期の健康な母体から正常妊娠経過で38〜42週に頭位で生まれ,生後1分以内に啼泣してアプガースコアが7点以上,生後10〜15分の呼吸・中枢神経系が正常で生下時体重が10〜90パーセンタイルにはいることである。この条件を満たさない児であるからその範囲は広く,頭蓋内出血の児は典型的なハイリスクベビーといえる。
 従来の産科学に従えば,新生児頭蓋内出血は分娩外傷の範疇に属するが,原因はいわゆる外傷(trauma)だけでなく,無酸素症または両者の共存である。しかし,近年の産科学の進歩とともに,外傷性のものは減少し,ハイリスク妊娠との関連で捕えるのがふさわしくなった。最近の知見をまじえ,産科学的立場からみた頭蓋内出血について簡単に述べてみたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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