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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科31巻12号

1977年12月発行

文献概要

疾患の病態と治療 ハイリスクベビー

低血糖

著者: 武田佳彦1 江口勝人1

所属機関: 1岡山大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.1121 - P.1124

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 生体諸臓器にとってglucoseは最も重要なエネルギー源の一つであり,とくに胎児,新生児における血糖の意義は大きい。新生児は分娩を転機として最も代謝量の低い母体の保護環境から離れ,呼吸,体温調節,筋運動など生命維持のために必要なエネルギーを産生しなければならない。しかし出生後数時間の間は経口摂取が困難であるのでエネルギー平衡は常に負に傾き,一方では肝でのgluconeogenesisの未熟及び解糖系の機能亢進と相まって血糖維持が困難となる。それゆえ正常児でも生後4〜6時間で最低値となる特徴的な低血糖が生じるのであり,新生児期における一連の適応現象の一つである。このように新生児では生理的にも低血糖が生じるが,新生児低血糖症はCorn—blath1)らに従って成熟新生児では生後72時間以内の血糖値が30mg/dl以下,未熟児では20mg/dl以下と定義されている。最近新生児低血糖症と中枢神経の障害との関係が指摘されており,新生児管理の重要な問題の一つとなっているのである。本稿では新生児低血糖症について臨床的な立場から解説したい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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