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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科31巻2号

1977年02月発行

文献概要

疾患の病態と治療 難治疾患の対策--婦人科外来から

無月経

著者: 平野睦男1

所属機関: 1東北大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.113 - P.118

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Ⅰ.原発無月経(表1)
 無月経の診療にあたっては,初潮発来の時期を問診により確認し,もし満18歳を過ぎても月経発来のない原発無月経であれば,腟鏡診,双合診,直腸診,ゾンデ診,BBT測定,さらに性染色体検査などにより,性器閉鎖症,子宮性原発無月経,卵巣性無月経などを鑑別しなければならない。原発無月経で乳房発育が良好であり,腰部の豊満化など女性としての身体発育がよい場合には,きわめてまれな疾患ではあるが,腟閉鎖または腟欠損などの性器閉鎖症(gynatresia)が考えられる。また原発無月経の40%にTurner症候群など性染色体異常が認められるので,とくに背の低い原発無月経の患者に対しては,染色体分析を必ず行なわなければならない。
 原発無月経は先天異常に基づくものが大部分であり,治療により正常月経周期をつくったり,さらに妊娠させうることはきわめてまれであるため,今日なおその対策はたてようがないのが実情である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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