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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科31巻3号

1977年03月発行

疾患の病態と治療 リスクの高い病態の対策--産科から

分娩時出血

著者: 寺尾俊彦1 尾池純子1

所属機関: 1浜松医科大学産婦人科

ページ範囲:P.235 - P.241

文献概要

 分娩時異常出血の大部分は,妊娠によって怒張した血管が何らかの原因で破綻することによって起こる出血—器質的出血である。従って,その止血には破綻部の修復,原因除去(機械的止血)が効を奏するのはいうまでもない。しかし,分娩時異常出血の中には時として機能異常に基づく出血があり,産科出血の治療にあたっては,この出血に対する十分な配慮がされねばならない。機能的出血には子宮筋収縮機能異常(弛緩性子宮出血),血液凝固機能異常による出血などがある。
 前者の器質的出血の止血法に関しては,多くの論文や教科書で述べられているので,本稿では主として後者の機能的出血について述べたい。機能異常に基づく出血を効果的に止血するためには,まず分娩時生理的出血の止血機構を知らねばならない。そこでまず生理的止血機構について触れ,ついで,この機構のどこに異常が起こったとき,どのような出血をしてくるかについて,例をあげながら述べたいと思う。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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