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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科31巻4号

1977年04月発行

文献概要

疾患の病態と治療 病態管理の進歩

妊娠中毒症

著者: 本多洋1

所属機関: 1東京大学医学部産科婦人科学(分院外来)

ページ範囲:P.317 - P.322

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 妊娠悪阻,妊娠中毒症,妊娠中毒症後遺症を含めて広く病態管理につき述べよという編集部からの注文であるが,筆者としては,妊娠悪阻を妊娠中毒症の中に包含して考えることには必ずしも納得していない。もちろん,両者とも妊娠によってのみ起こる異常であって,妊娠が終了するとただちに軽快するという特徴をもってはいるけれども,病態という点からみると,妊娠悪阻は,いうまでもなく,嘔気・嘔吐,食思不振,嗜好の変化などおもに消化管の症状を呈するものであるし,妊娠中毒症は高血圧,タンパク尿,浮腫(体重の著増)を主体とし,いわゆる腎・血管系に臨床的表現をもつものである。発病時期も異なり,病像も違うものを一括してしまうのはいささか早計のように考えるがいかがなものであろうか。
 それはそれとして,これらの疾患のいずれも,本特集の標題としての"病態管理の進歩"という点からすると,ふりかえってあまりにそれが少ないことに気がつき忸怩たらざるを得ない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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