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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科31巻4号

1977年04月発行

原著

高感度赤血球凝集阻止反応による尿中低単位hCGとLH測定について

著者: 今村定臣1 今道節夫1 三浦清巒1 加瀬泰昭1

所属機関: 1長崎大学医学部産科婦人科教室

ページ範囲:P.359 - P.363

文献概要

 LHあるいは低単位のhCGは現在は主に,radio—immunoassay (RIA)により測定されている。このRIAは方法論的には優れた測定法であるが,radioisotopeを使用するため相応の設備と管理可能な施設でなければ使用できず,すべての臨床医が容易に測定できない欠点がある。
 臨床的にはLHや低単位hCGの測定を必要とすることは非常に多く,たとえば無排卵周期症や無月経症における病巣の部位別診断および排卵誘発法の適応とその効果の判定等にはLHの測定が必要であり1),また絨毛性腫瘍の治療後におけるhCGの下降パターンを分析するにも低単位hCGの定量が必要である2)。ところでradioisotopeを使用しない従来の免疫学的測定法すなわち免疫学的妊娠反応は簡便で迅速な測定法であるがLHや低単位hCGの定量には感度の面で利用できなかった3)。しかし最近になって同様の原理,すなわち赤血球凝集反応あるいは赤血球凝集阻止反応4)を利用し,しかも感度を非常に高めた試薬が開発,市販されるようになり,尿中LHや低単位hCGの測定が特別の技術,設備を必要とせずできるようになった。今回,高感度赤血球凝集阻止反応に基づく尿中LH,hCG測定試薬Lu—tconosticon (日本オルガノン社,東京)を使用し,その基礎的検討と臨床応用を試みたので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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