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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科31巻6号

1977年06月発行

文献概要

トピックス

満40歳以上の高年妊婦に関する分娩統計

著者: 田部井徹1

所属機関: 1国立病院医療センター産婦人科

ページ範囲:P.544 - P.544

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 婦人の妊娠率は,30歳を過ぎると年齢の増加とともに低下する。たとえ妊娠したとしても各種の疾患が合併しやすく軟産道の伸展性が不良となり,分娩が次第に困難となる。さらに,母体の年齢とともに未熟児・先天異常児の発生率は高くなり,児の周産期死亡率も上昇する。とくに,40歳以上の高年妊婦では初産経産を問わず流産率が高く,胞状奇胎などの異常妊娠を起こしやすいとされている。母体の年齢と種々の先天異常児発生頻度との相関についての報告もみられ1),たとえば40歳以上の妊婦にダウン症候群および先天性心疾患の発生率が有意に高いことはよく知られている2)
 わが国の学会では,30歳以上の初産婦をとくに高年初産婦と定義し,その頻度はおよそ2〜4%であるという。一方,アメリカでは35歳以上の初産婦のことと定義している。確かに高年の妊婦では妊娠の頻度は年齢とともに低下するが,高年婦人は何らかの方法で避妊をしたり,たとえ妊娠したとしても家庭の事情や身体的な条件のために妊娠初期に人工中絶を行なってしまうこともしばしばである。高年妊婦の分娩頻度は,個人の生活条件,社会的環境,風俗,人種などの影響を強くうける。従って広範囲な統計資料の収集はなかなか困難であり現在まであまり行なわれていない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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