文献詳細
特集 産婦人科における凝固線溶系異常
ヘパリンの線溶系に対する効果
著者: 中林正雄1 荻野雅弘1 金子義晴1 丹羽つた子1 佐藤和雄1 坂元正一1 武田泰彦2
所属機関: 1東京大学医学部産科婦人科学教室 2コロラド大学医学部内科
ページ範囲:P.589 - P.598
文献概要
heparinの凝固系に対する作用機序については,すぐれた論文が数多くある1〜5)。heparinは,その作用発現に関係するcofactorであるantith—rombin ⅢとともにF-lXa,F-Xa,thrombinの活性を抑制するといわれている。一般にantithrom—bin Ⅲは生体内で血中の活性化凝固因子とゆっくり結合し,それらの活性を抑制するが,heparinの存在下ではその反応速度が非常に速くなり,そのためにheparinの抗凝固作用があらわれるものと考えられている。
掲載誌情報