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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科31巻8号

1977年08月発行

疾患の病態と治療 再発と再燃

婦人科悪性腫瘍の再発と再燃—臨床的概念

著者: 山辺徹1

所属機関: 1長崎大学医学部産婦人科学教室

ページ範囲:P.669 - P.673

文献概要

 癌や肉腫の悪性腫瘍は放置しておけば早晩死の転帰をとる疾患であり,その自然治癒はあるとしても例外である。したがって,癌を治癒させるためには,手術による癌組織の完全摘除,または放射線療法や化学療法などによる癌細胞の完全な死滅をはかる以外にないのは当然である。ところがこれらの治療が不完全で癌組織が残存する結果ともなれば,のちに再発あるいは再燃と呼ばれる状態をきたすことになる。
 それでは再発と再燃とはどのように区別されるかという問題があるが,これらについてそれぞれに明快な定義が与えられているわけではないようである。再発にせよ,再燃にせよ,その発現には腫瘍の蔓延度とそれに対する治療法の差異が主要因をなすが,さらに腫瘍の増殖能や免疫機構などの諸因子を含むhost-tumor relationshipの問題が関与するものと考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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