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綜説
不妊症婦人における精子に対する局所免疫
著者: 須藤寛人1 竹内正七1
所属機関: 1新潟大学医学部産婦人科学教室
ページ範囲:P.733 - P.737
文献購入ページに移動 精子免疫学は,生殖免疫学の中でも,古い歴史をもつ1)。近代精子免疫学のあけぼのは,二人の異なった研究者,Rumke2)とWilson3)によって,不妊症の男性において,血清精子抗体が報告された1954年からと考えてよいと思われる。原因不明不妊症夫婦の婦人からも,血清精子抗体が証明されるということが判明したのは,最近10〜15年間くらいのことで,比較的新しい。すなわち,1964年のFranklin & Dukesの報告4)および1968年以後の継続した磯島らの研究5,6)などがあげられる。女性性殖器レベルにおいての,局所免疫現象の研究は,血清精子抗体の検索などの全身性免疫のそれに比して,乏しいように思われる。そこで,この点に焦点を合わせ,著者の一人須藤の行なった,頸管粘液における免疫現象についての研究結果をもとに,内外の文献に基づき,若干の考察を行なった。
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