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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科31巻8号

1977年08月発行

薬の臨床

子宮癌に対する放射線療法と化学療法(内腸骨動脈one-shot注入)の併用について

著者: 井庭信幸1 梅沢潤一1 石川宏輔2 森崎緑朗2

所属機関: 1鳥取県立厚生病院産科婦人科 2鳥取県立厚生病院放射線科

ページ範囲:P.743 - P.747

文献概要

 子宮癌Ⅲ期以降の治療法は主として放射線療法に依存しているが,これは局所療法であり,子宮癌Ⅰ,Ⅱ期に比較し転移率の高い子宮癌Ⅲ期以降の症例には全身療法が必要と思われる。全身療法としては化学療法が行なわれており,内服,筋注,静脈内,動脈内などまた単独あるいは多剤併用法で投与されている。その他免疫学的見地からの薬剤投与も試みられている。全身療法の意義は誰しも認めるところであり,nitrogen mustard以来,種々の制癌剤が出現したが,効果の点では手術,放射線治療に比較し,まだ十分とはいえない状態であり,補助療法ともいわれている。
 一方,絨毛性腫瘍に関しては従来,手術,放射線療法が優先されていたが,最近ではMethotrexate,Actino—micin-Dなどすぐれた薬剤で治療成績は向上し,生殖能力を維持できるようになってきた7)。子宮癌の場合も薬剤で完全な治癒が得られ,生殖能力が保たれるようになるには,まだかなりの年月を有するものと思われる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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