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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科32巻1号

1978年01月発行

トピックス

Fetal heart rate (FHR) variabilityの臨床的意義

著者: 田部井徹1

所属機関: 1国立病院医療センター産婦人科

ページ範囲:P.68 - P.68

文献概要

 現段階の分娩監視装置による胎児管理は,主として胎児心拍数に対する陣痛の影響を連続的に監視し,fetal distressを早期に発見することを主眼としている。分娩時胎児にhypoxiaがおこると陣痛発作終了後も同復しない遷延性徐脈,および遅発性徐脈(DipⅡ)などが出現する.fetal distressでは以上のような陣痛と関係の深い徐脈のほかに,fetal heart rate (FHR) variabilityの重要性が最近指摘され注目されている1)。FHR variabilityには,shorttermとlong termの二種類があり2),両者とも,その低下あるいは消失は,胎児が死亡する直前など胎児中枢神経系のhypoxiaが著しい場合,未熟児を含む子宮内胎児発育遅滞や無脳児に認められるという3)。また,母体にアトロピンやフェノバルビタールなどを投与すると,胎児の中枢が抑制されるために低下する4)。このように,FHR variabilityの変動は,子宮内における胎児の自律神経機能を直接反映すると考えられるので,臨床上fetal distressの診断に役立つのは当然であろう。実際に,遅発性徐脈(Dip Ⅱ)が,FHR variabilityの低下と同時に出現すると,遅発性徐脈だけの例に比べて,胎児血pHおよび新生児のApgar scoreが著明に低下するという5)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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