文献詳細
原著
卵巣腫瘍患者血清中の癌胎児性抗原(CEA)
著者: 滝沢憲1 川名尚1 白水健士1 菅生元康1 川端正清1 坂元正一1 泉陸一2 藤野雅之3
所属機関: 1東京大学医学部産科婦人科学教室 2富山医科薬科大学産科婦人科学教室 3東京大学医学部第一内科学教室
ページ範囲:P.767 - P.771
文献概要
さて,Goldら11)により,結腸癌から抽出された癌胎児性蛋白の一種であるCarcinoembryonic antigen (CEA)は,血清中に出現することが判明してきたので,種々の悪性腫瘍患者について測定され,その臨床的意義が検討8,9,14,25)されてきた。それらのうち,結腸癌をはじめとする消化器癌13〜15,24)では,その消長が癌の進行度を反映するとされており,臨床に応用されるようになっている。婦人科悪性腫瘍についても,子宮癌,卵巣癌などで血清CEA値が測定されている。たとえば子宮頸癌患者の血清中のCEA陽性率については,Disaia P.J.ら10)は,5.5%(0期)から100%(Ⅳ期)と進行期に一致して増加すると報告しているが,他の著者も同様な報告をしているものが多い4,5,7,19)。
掲載誌情報