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妊娠に合併したてんかん患者の治療方針
著者: 田部井徹1
所属機関: 1国立病院医療センター・産婦人科
ページ範囲:P.772 - P.772
文献購入ページに移動 妊娠に合併するてんかんの頻度は,約0.15%といわれている。妊娠前からすでにてんかん発作があり,診断が確定している場合がほとんどで,初回の発作が妊娠・分娩,または産褥期に起こることは極めてまれである。てんかんが妊娠によって受ける影響はまちまちであるが,Kn—ight & Rhind1)によると,てんかんを有する妊婦の約半数(45.2%)に妊娠による発作頻度の増加がみられ,4.8%に減少が認められたという。一方,てんかんが妊娠経過に及ぼす影響はほとんどなく,妊娠を継続してさしつかえないといわれている。しかし,分娩時のてんかんの発作は,母体の外傷や一時的な無酸素による胎児への影響も懸念される。また臨床上,子癇発作との鑑別が重要である。てんかん患者から出生した児の約10%がてんかん発作を起こすといわれているが,遺伝的関係は不明である。
現在,てんかんの一般的な治療には,Phenytoinあるいはphenoba—rbitalなどの抗けいれん剤が広く使用され,発作の抑制にかなりの効果をあげている。てんかん発作の出現は,投与された薬剤の血中濃度とよく相関するといわれている2)。たとえばphenytoinの血中濃度が10〜20μg/ml以上あれば,臨床上にみられるてんかん発作を抑制することが可能である。
現在,てんかんの一般的な治療には,Phenytoinあるいはphenoba—rbitalなどの抗けいれん剤が広く使用され,発作の抑制にかなりの効果をあげている。てんかん発作の出現は,投与された薬剤の血中濃度とよく相関するといわれている2)。たとえばphenytoinの血中濃度が10〜20μg/ml以上あれば,臨床上にみられるてんかん発作を抑制することが可能である。
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