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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科32巻2号

1978年02月発行

トピックス

経口避妊薬(ピル)服用中止後の性機能

著者: 矢内原巧1

所属機関: 1昭和大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.112 - P.112

文献概要

 現在最も効果ある避妊法の一つとして全世界で用いられている経口避妊薬の避妊機序の第1は間脳—下垂体系の抑制であることには論をまたない。事実ピル服用中の血中ゴナドトロピン,卵巣ステロイド値は極めて低く,通常正常性周期にみられる排卵前のLH,FSHのサージもなく排卵もみられない。従って永年これら合成ステロイドによって抑えられていた排卵が服用中止によって再び起こるか否かは,間脳—下垂体—性腺系の機能回復にほかならない。長期ピル服用者がその服用を中止した際時に無月経となることは臨床上遭遇するできごとの一つである。またピル服用中止者が引続いて妊娠した場合,予定日算定や黄体機能不全に起因する流産の問題など患者も医師も困惑する場合が生ずる。
 近年血中ホルモン測定法の進歩に伴い,これらピル服用中止後の性機能の推移を経日的に追跡する試みがなされるようになった。KleinとMishell1)は6人のピル常用者の服用中止直後またはその数日前から連日2ヵ月にわたって採血し,血中LH,FSH,estradiol,progesteroneおよびprolactinをRIA法にて測定し,これら性ホルモンの推移を追うことより,下垂体—性腺系の機能を検討した。6人の対象者の年齢は21歳〜39歳で6ヵ月から12年間にわたりピルを服用していた。全員ピル服用前は正常な性周期をもち,3人は妊娠の経験がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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