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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科32巻2号

1978年02月発行

薬の臨床

血清E3と尿中E3および血清β1—SP1との相関性について—E3リアパックによる血清E3の測定

著者: 工藤純孝1 前川岩夫1 赤嶺正裕1 板橋光司郎2 中村欽哉2 仁藤章男2 加藤徳太郎3

所属機関: 1千葉大学医学部産科婦人科学教室 2川崎製鉄千葉病院産婦人科 3川崎製鉄千葉病院検査科

ページ範囲:P.150 - P.155

文献概要

 胎児胎盤機能を知ることは周産期における妊産婦の管理上重要な問題である。健康管理が十分に行なわれている現在ですらhigh risk pregnancyがあとを断たず,これらのケースにおける子宮内胎児死亡,SFD児,母体死亡等々が現在産科学の問題であり,この点においてもfeto—placental unitの機能を把握する必要が生ずるゆえんでもあろう。
 現在表1に示すがごとく,胎児胎盤機能検査は各方面から検討がなされているが,とくに臨床的に多用されているものは尿中estriol (E3)の測定である。Estrogenは妊娠末期には非妊時の約1,000倍量が尿中に排泄され,そのほとんどがE3であり,子宮内胎児死亡の場合には急激に減少することが知られている。cholesterolからE3に変換されるまでの過程において母—胎盤—児のおのおのの役割はすでに解明され,妊婦尿中のE3は胎児胎盤の両者の機能の反映と考えてしかるべきものと思われる。しかし,これら尿中E3は日中変動,個体差,母体の腎機能などが影響し,かなりのバラツキがあるため,現在ではdehydroepiandrosterone-sulfate負荷,あるいはE3の前駆物質の測定,あるいは15α—hydroxy E3(estetrol)の測定など種々改良が加えられつつある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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