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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科32巻3号

1978年03月発行

臨床報告

妊娠初期切迫流産の予後判定と治療法の有効性について

著者: 鈴木雅州1 平野睦男1 和田裕一1 斎藤晃1

所属機関: 1東北大学医学部産科学婦人科学教室

ページ範囲:P.224 - P.226

文献概要

 妊娠初期の切迫流産の治療は,従来安静が第一義に考えられ,そのうえで黄体ホルモン剤,高単位HCG製剤,子宮筋弛緩剤,止血剤などを中心とした薬物療法が行なわれてきた。しかし,これらの治療法には各各批判もあり,またその有効性についても意見はまちまちであった。これは流産の原因が,母体因子の異常,胎児付属物の異常,胎児因子の異常など多岐にわたっており,その原因をprospectiveに鑑別する方法がないこと,また一方では,ホルモン療法の指標となるべき妊娠初期の内分泌動態に関しても不明な点が多いことなどによるものと考えられる。
 第29回日産婦総会におけるシンポジウム「初期流産管理の基礎」で,これらの疑問に示唆を与える数々の研究成果が報告されたが,会員から臨床面で実際に役立つ具体的な指標が欲しかったという声が多くきかれた。そこでシンポジストを含む10氏に,妊娠初期切迫流産の予後判定法と治療法に関する次のような質問をし,回答をお願いしたところ,8氏の回答を得ることができた。質問の内容は, 1)妊娠7週以前の切迫流産妊婦が妊娠を継続できるか否か(胎児の生死)を推定する最も有効な方法は何か。 2)胎児死亡が確認されない場合の切迫流産に対するHCG製剤,黄体ホルモン剤,子宮筋弛緩剤,止血剤,鎮静剤,鎮痙剤,安静臥床などの有効性の有無,これら薬物の投与法,投与量について。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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