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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科32巻5号

1978年05月発行

新しい視点をさぐる 薬物療法のBlind Spots

内分泌異常における排卵誘発剤

著者: 楠田雅彦1

所属機関: 1九州大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.323 - P.326

文献概要

 その使用主目的が排卵誘発でないにせよ,ある条件下においては排卵誘発作用を有する物質,あるいは補助的に排卵誘発剤と組合せて使用すると有効率を上げるような物質も種々知られている。甲状腺機能低下症に対する甲状腺ホルモン剤,副腎皮質機能亢進症に対する副腎皮質ホルモン剤,高プロラクチン症に対するbromocryptineなどは前者に属する代表的なものであり,ビタミンCやカリクレイン,種々の向神経薬などは後者に属する。そのほかestrogen,gestagenなどの性ホルモン剤やLH-RHも,ある条件下では排卵誘発作用を有している。また排卵誘発を目的として開発されながらもついに市販に至らなかったepimestralのごとき物質や現在わが国でなお臨床研究の段階にあるtamoxifene (Nolvadex)のような薬剤まで加えるとかなり多種にのぼる。
 現在,わが国で広く市販され応用に供し得るいわゆる排卵誘発剤はPMSG,HMG,HCGなどに代表されるgonadotropin剤と,clomiphene citrate(Clomid)に代表される経口排卵誘発剤と考えて差支えないであろう。従って本稿ではこれらを中心に,一部最近の新薬について,いくつかのblind spotsを取上げてみたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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