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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科32巻5号

1978年05月発行

文献概要

研究へのいざない・10

小動物の排卵誘発法

著者: 広井正彦1 川越慎之助1

所属機関: 1山形大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.371 - P.377

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 哺乳動物の中には自然に排卵周期を営んでいるものと,自然には明らかな周期はなく,交尾などの反射により排卵を示す動物とに大別することができる。このような排卵や性周期などの現象は,近年,間脳—下垂体—卵巣系という一つのunitにおける綜合的な機能によることが明らかにされている。しかし,この排卵現象は極めてち密な機構によるもので,完全には解明されていない。ヒトを含めた雌性動物の生殖現象を知るうえで排卵機構を明らかにすることは非常に重要であるし,臨床的にも排卵の誘発や抑制,無排卵症の治療などを行なうにあたり意義深い。これらの研究のために種々の動物実験が行なわれてきたが,動物の排卵現象からヒトのそれを推察する目的にはヒトと類似の性周期を有する動物を実際に使用することが理想的である。しかし,ここでは入手や繁殖および取扱いが容易で,最も一般的に使用されている実験動物の中でも,特にラットやウサギを中心に,その排卵誘発法について述べる。なお著者1)は本誌のこのシリーズですでに小動物の性周期のみかたについて述べているので参照していただきたい(31(5):463,1977)。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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